書評「あなたにもわかる相対性理論」 茂木健一郎 [わたしの書評]
書店で本書を見たとき、「えっ」と思った。脳科学者の華麗なる転身かと思わせるタイトル。著者が科学者になりたいと、志したのは小学5年生だったという。四次元時空の話にある程度感動したというのだから、早熟も早熟、アインシュタインほど世の中で偉い人はないと思い定めたと言うのだ。それだけ感動が深かったのだろう。アインシュタインは、「感動を止めた人は生きていないのと同じである」といったそうだ。そのアインシュタインの相対性理論を語ろうというのだから、並みの感動ではあない。
相対性理論は量子力学の誕生とともに、20世紀物理学の二大巨峰である。物理学科入門する学生をもっとも悩ますのが、この理解と体得であろう。特に相対性理論には難しい数学は現れないので、一見平易にみえるが、生活次元との常識の乖離は3ヶ月や半年では乗り越えられない。私も物理学科出身者として悩まされた一人だ。
著者は、この悩ませる真髄を数式抜きの巧みな話術で伝えようとしている。著者がぞっこん惚れ込んでしまった相対性理論の解説書は、並みの物理学者の解説を遙かに超えた説得力を持っている。相対性理論がどういう世界観を持つ理論なのかが理解できれば、先へ進むのは容易だ。
若干我田引水の話にもつきあわされるが、まあ良しとしようではないか。おすすめ。
2009-11-07 15:20
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